丸のままの魚を使った本格アクアパッツァの作り方
特に刺身や煮魚等の定番料理はとても美味しいですが、定番料理だけでは飽きていませんか?
そんな皆様に、今回は簡単に出来てとても美味しいイタリアの魚料理「アクアパッツァ」のレシピをご紹介いたします。
以前にもアクアパッツァのレシピは数種類紹介いたしましたが、今回は動画で撮りましたので、動画も合わせてご覧頂ければと思いますが、その前に軽く蘊蓄をw
アクアパッツァとは?
アクアパッツァとはイタリアのナポリで生まれた魚介の煮込み料理で、オシャレなイタリアンレストランでは定番の魚料理です。しかしこのアクアパッツァ、元はナポリの漁師料理だと言う事をご存知でしょうか?
日本の漁師料理もそうですが、「漁師料理=美味しくて簡単」と言うのは世界共通のようで、実は簡単に出来ちゃうのです。
アクアパッツアの語源ですが、イタリア語でアクア(Aqua)は「水」、パッツア(Pazza)は「クレージー」や「暴れる」という意味があり、直訳するとアクアパッツァとは「狂った水」若しくは「暴れ水という」意味だったりします。
諸説ありますが、漁師が休憩中に船の上で料理している際、船の揺れで鍋の中の水(Aqua)が暴れる(Pazza)ことから由来したと言われています。
元々ナポリの漁師さんは船上の上ですからアクアパッツァを作る時には海水を使っていたらしいですが、今回は家庭で作るレシピですので水と白ワインを使ったレシピになります。
と言う訳で、まずは動画からご覧ください。
ソイとハマグリのアクアパッツァ レシピ aqua pazza recipe
魚の下処理と貝の砂抜きも収録しました。
ソイとハマグリを使っていますが、メバルやカサゴ、アイナメ、ホウボウなど白身魚なら何でも合い、貝はアサリやホンビノス、ムール貝等も良く合います。
材料(2人分)
メインディッシュ
- カロリー:約89Kcal
- 脂肪分:約4.49g
- ソイ(30cm程度)=2匹
- ハマグリ=250g
- 水=200cc
- 白ワイン=100cc
- 塩=適量
- ニンニク=1粒
- 赤唐辛子=1本
- フルーツトマト=9個
- ズッキーニ=100g
- マッシュルーム=4~5個
- 塩漬けケッパー=小さじ2杯程
- オリーブの実=5個ぐらい(出来れば黒オリーブ)
- EXVオリーブオイル=大匙1杯(調理用)
- EXVオリーブオイル=大匙1杯(仕上げ用)
- 白胡椒=少々
- イタリアンパセリ=適量
※アクアパッツァの材料には特に決まりは有りませんので、お好きな具材をお使いください。
ただ、魚は1匹丸ままを使った方が頭や骨から良い出汁が出て本格的で美味しく仕上がりますので、本格的なアクアパッツァを作りたい方は丸のままの白身魚を使用してください。
下処理:
ハマグリの砂抜き
- ハマグリは予め砂抜きをしておきます。
1リットルの水を40度に温め、塩34グラムを良く溶かしてハマグリを入れたら暗い場所に1時間置くと、早く簡単に砂を吐きます。
常温の塩水(20度程度)の場合、一晩(8時間)おかないと砂が抜けませんが、40度程に温めてやるとハマグリの活性が上がり簡単に砂を吐き出します。
魚の下処理
ウロコを取る
- ソイのウロコをウロコ落としで取ります。
内臓を取る
- ウロコを落としたらエラと内臓を取り、流水で洗いながら汚れを落とします。
立て塩をする
- 表面の水分を良く拭き取ったら、魚の両面全体に軽く塩をして15分ほど冷蔵庫で休ませます。
POINT!
立て塩とは日本料理の技法のひとつで味付けの為に塩をするのでは無く、全体に塩をして冷蔵庫で15分寝かせる事で、浸透圧の関係で余計な水分が浮き出て素材の味が凝縮すると共に、出てきた水分と一緒に臭みが抜けます。
切れ込みを入れる
- 15分したら冷蔵庫から出し、表面の水分をキッチンペーパーなどで押さえるようにして拭き取り、火を通りやすくする為両面に2本ずつ切り込みを入れます。
- 切り込みを入れたら下味の為、全体に塩を塗します。
POINT!
後に塩漬けケッパーで塩分を足しますので、お腹の中まで塩をする必要はありません。
野菜の下処理
- トマトはヘタを取り、ズッキーニは縦に切ってから食べやすい大きさに切ります。
マッシュルームは軸の汚れを削ぎ取り、表面に付いた汚れは湿らせたキッチンペーパーでふき取ります。
唐辛子は種を取り、オリーブの実は輪切りにします。
POINT!
マッシュルームは水洗いすると味と香りが落ちるので絶対に水洗いせず、汚れが付いている場合は湿らせた布かキッチンペーパーでふき取ってください。
本格アクアパッツァのレシピ(調理時間: / 下処理と合わせた合計:)
- フライパンにオリーブオイル大匙1杯を入れ、包丁の腹で潰したニンニクを入れて弱めの中火にします。
- ニンニクの香りがオイルに移ったら、塩をした魚を画像の向きで入れて、ヘラで押さえるようにして表面に焦げ目を付けます。
POINT!
魚の焼き始めは、絶対に動かさないでください。
途中で動かすと、皮がフライパンにくっ付きめくれてしまいます。
また、この後反して反対側を焼くので、魚の向きは画像の向きで焼き始めてください。
- 3分程で皮目に焼き色が付くと思いますので魚を返し、ハマグリと水、白ワインを入れて蓋をします。
- 1~2分程度でハマグリの殻が開きますので、このままに続けるとハマグリは硬くなってしまうので一旦ハマグリだけ取り出します。
- ハマグリを取り出したら下処理をした野菜を全て入れて煮込み、アクが出る様ならアクは掬い出します。
- 途中、スプーンなどで魚に煮汁をかけながら10分ほど煮込み、味見をして塩分が足りないなら塩と白コショウ少々で味を調え完成です。
- 器に盛り付け、仕上げ用のEXVオリーブオイルを上からかけ、最後にイタリアンパセリのみじん切りを振りかければ出来上がりです。
たまに魚の向きを聞かれる事が有るのですが、魚料理で1匹丸ままの魚をお出しする場合、食べる方の側から見て魚のお腹を下にした時に魚の頭が左に来るのが正しい魚の盛り付け方になります。
要するに画像の様な向きになっていれば良いので、調理する時も盛り付けの事を考えて調理しましょう。
まとめ
少し画像を多くして細かくご説明してきましたが、実際にはフライパンで魚を焼いたら材料を入れて煮込むだけの、誰にでもできる簡単な料理です。
使用する魚は白身魚で、ソイの他にはメバル、アイナメ、ホウボウ、真鯛、黒鯛等が良く合います。
特に根魚はどの魚を使っても美味しく出来上がると思います。
今回は基本的な材料で作っていますが、冒頭で書きました通りアクアパッツァの材料には特に決まりはありませんので、家にある食材で適当に入れても美味しく出来上がります。
ハマグリの代わりにアサリやムール貝でも良いですし、イカなども良く合います。
注意点としては、
- 魚は骨付きのまま丸ごと使う
- トマトは丸のまま入れる
- 野菜は入れ過ぎない
の3点ぐらいです。
切り身の方が盛り付け時は上品に見えますし食べる時は楽なのですが、美味しいアクアパッツァを作りたいのでしたら丸ごとの魚を使った方が出汁が良く出て濃厚な美味しさになります。
兎に角誰にでも簡単に美味しく出来ますので、たまにはご自宅で本格イタリアン等如何でしょうか。